鎌倉の地理的特徴について
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山に囲まれた地形
鎌倉は四方を山に囲まれた盆地のような地形をしており、古くから自然の要塞としての役割を果たしてきました。この地形は、外敵からの侵入を難しくする自然の防御壁となり、鎌倉幕府時代にはこれを利用した防衛策がとられました。
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切り通し(鎌倉七口)
鎌倉には「鎌倉七口」と呼ばれる7つの主要な道があり、これらは山を切り開いて作られた切り通しです。これらの道は、鎌倉へのアクセスポイントとしてだけでなく、防衛上の重要な役割も果たしていました。これらの切り通しを通じて、鎌倉の外との交通が可能になり、同時にこれらの狭い道を守ることで外敵の侵入を防ぐことができました。
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やぐら
鎌倉の「やぐら」は、限られた平地から柔らかい岩石を利用して作られた洞窟墓です。鎌倉では平地が少なく、適切な墓地を確保するのが難しかったため、岩を掘って墓を作るやぐらが一般的になりました。この地域特有の砂質の中に火山灰が混ざってできた岩石は加工しやすく、やぐらを掘るのに適していました。やぐらは鎌倉の歴史や文化を象徴する特徴的な遺産であり、鎌倉観光で見逃せないポイントの一つです。
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井戸と水源
鎌倉は山に囲まれた地形のため、水源の確保が重要であり、多くの井戸が掘られ生活用水や防衛時の水源として利用されてきました。中でも「鎌倉十井(かまくらじっせい)」は、その水質の良さと伝説が残る美味な水を提供する十の井戸で、 徳川幕府による平和な鎖国政策が行われた江戸時代 (17世紀〜19世紀)の鎌倉遊覧が盛んになった時期に名所旧跡として紹介された、鎌倉の地理的特徴を反映した重要な生活基盤です。
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谷
鎌倉の地形は多くの谷によって特徴づけられており、これらの谷は「やつ」と読み、地名としても用いられています。これらは自然の景観を形成するとともに、地域の水管理にも影響を与えています。谷を流れる川は、かつての人々の生活や農業に欠かせない水源となり、鎌倉の自然と人々の生活が密接に関わり合っていたことを物語っています。