悠久の歴史に想いを馳せる旅
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円応寺

十王信仰と「笑い閻魔」が織りなす鎌倉の歴史的寺院
  • 円応寺

円応寺の歴史と概要

円応寺(えんのうじ)は、鎌倉時代の13世紀中期に設立された歴史ある寺院です。本尊は閻魔大王(えんまだいおう)で、「閻魔堂」や「十王堂」とも呼ばれています。この寺院は、亡くなった人々が冥界で出会う十王を祀る信仰の中心地として知られています。十王信仰とは、死後に仏が変じた十人の王が人々の生前の行いを裁くという教えです。

初代住職は、建長寺(けんちょうじ)の初代住職の弟子であり、建長寺の第九世でもある知覚禅師(ちかくぜんじ)でした。円応寺は当初、鎌倉大仏の近くにありましたが、鎌倉幕府滅亡後に足利尊氏(あしかがたかうじ)によって由比ヶ浜に移築され、18世紀初頭の大地震を機に現在の地に移りました。

笑い閻魔 – 運慶の伝説

円応寺の本尊である閻魔大王の座像は、国の重要文化財に指定されています。この像は、鎌倉時代の著名な仏師・運慶(うんけい)によって作られたと伝えられています。伝説によれば、病気で瀕死の状態だった運慶は、閻魔大王から「この像を彫り、人々が善行を積むことで救済されるなら命を戻してやる」と告げられました。その結果、運慶は笑顔で閻魔像を完成させ、その穏やかな表情から「笑い閻魔」として知られるようになりました。

十王信仰と寺院の文化的価値

円応寺では、十王像や倶生神(くしょうじん)、鬼卒(きそつ)の立像など、死後の世界を象徴する多くの仏像が安置されています。これらの像を通じて、鎌倉時代に広まった十王信仰や浄土思想の深い理解が得られます。また、円応寺は「鎌倉二十四地蔵」の第8番としても知られ、地元の人々から親しまれています。

宿泊者特典 – 朝早く訪れる円応寺の魅力

トシズプレイスにご宿泊される方には、円応寺を朝早く訪れることを強くおすすめします。朝の静寂な時間帯は観光客も少なく、境内をゆっくりと散策できます。閻魔大王像の穏やかな表情や、十王像が伝える深い教えを心静かに感じ取るには最適な時間です。朝の柔らかな光に包まれる寺院は、より荘厳で神秘的な雰囲気を楽しむことができます。特に春の桜や秋の紅葉の季節には、貸切のような贅沢な体験が味わえます。

子育て閻魔の伝承

円応寺には、津波で流された子供たちを閻魔像が舌を伸ばして救ったという心温まる伝説があります。このエピソードから、「子育て閻魔」としても知られ、赤ちゃんの名付けや健やかな成長を祈願する場所として多くの家族が訪れています。

おすすめの過ごし方

円応寺は、長谷観音や鎌倉大仏と合わせて巡るのがおすすめです。これらの寺院群は、浄土信仰に基づく美しい情景を構成しており、深い精神的な癒しを提供してくれます。宿泊者の方はぜひ早朝から訪れ、観光客で混雑する前に落ち着いた時間をお楽しみください。