常栄寺(ぼたもち寺)
常栄寺とは?|歴史や由来
常栄寺(じょうえいじ)は、江戸時代前期(17世紀前期)に創建された日蓮宗(にちれんしゅう)の寺院です。
13世紀後期に起きた「龍ノ口法難(たつのくちほうなん)」と呼ばれる事件の際、日蓮上人が幕府に異端とみなされ、処刑される危機に直面し、龍ノ口(現在の神奈川県藤沢市片瀬付近)へ連行される途中、「桟敷の尼」と呼ばれる女性が日蓮に胡麻入りのぼた餅を献上したと伝えられています。その後、日蓮が龍ノ口でまさに処刑されようとしたその時、江ノ島方面の空に光る物体が突如として現れました。この異変を目撃した役人たちは大いに驚き、恐れをなして処刑を中止したとされています。この出来事により、献上されたぼた餅は「首つなぎぼたもち」と呼ばれるようになり、深い信仰の象徴として今日まで語り継がれています。
見どころ|景観・建築・自然・特徴など
常栄寺は「ぼたもち寺」の通称で親しまれ、境内には歌碑や小さな社「桟敷大明神(さじきだいみょうじん)」が佇みます。本堂には「三宝祖師(さんぽうそし)」像が本尊として安置されており、寺の精神的な中心をなしています。秋にはハギやハナトラノオ、ハナシュクシャ、芙蓉、彼岸花、秋桜などが咲き、季節の草花に囲まれた穏やかな景観が魅力です。
ご利益・文化的意義
「首つなぎぼたもち」の逸話に由来し、常栄寺では現代でも「首がつながる」=「リストラを免れる」との信仰が根付いています。「首つなぎ守り」は仕事運や就職・転職活動の守護として人気があり、表には萩、裏には牡丹が刺繍されています。こうした信仰は、厄除けや命の加護という伝統的な信仰と、現代の社会状況を反映した新たな意味合いが融合しています。
おみくじ・御朱印・ユニークな風習
御朱印は本堂右手の寺務所で、11:00〜12:00および13:00〜15:00の2回に授与されています。人気の御朱印には「これやこの法難の祖師に萩のもち ささげし尼が すみしところ」という和歌が記されており、訪問の記念としても好評です。初穂料は片面300円、見開きと御首題はいずれも500円。原則として御朱印帳への直接記入ですが、寺務所が無人の場合は呼び鈴で対応可能です。
アクセスと開門時間
拝観時間は6:00〜16:30、無休(諸事情による臨時休寺等あり)で拝観料は志納制(無料)です。専用駐車場はなく、公共交通機関の利用が便利です。鎌倉駅東口からは徒歩約7〜10分で到着できます。
おすすめの訪問時間・シーズン
常栄寺の魅力を最大限に味わうには、朝の静けさが漂う時間帯の訪問がおすすめです。日帰りでは難しい早朝の時間帯にゆとりをもって訪れることで、信仰の場としての空気感や、内省的な時間を自然に楽しむことができます。特に秋の花々が彩る季節や9月12日の「龍ノ口法難会(たつのくちほうなんえ)」には、地元の人々や信者が静かに集う穏やかな法要が営まれます。
周辺スポット|徒歩圏内のスポットを中心に紹介
常栄寺のある大町・材木座エリアは、穏やかな住宅地にありながら文化的な名所が点在しています。近隣には光明寺(こうみょうじ)、妙法寺(みょうほうじ)、安国論寺(あんこくろんじ)、安養院(あんよういん)などがあり、いずれも徒歩で巡ることができます。由比ヶ浜の海岸も近く、散策の合間に立ち寄るにも最適です。
こんな方におすすめ|目的・関心・滞在スタイル別に提案
・都会の喧騒を離れ、静かな環境で心を整えたい方 ・日蓮宗の歴史や信仰文化に興味がある方 ・御朱印を通じて旅の記録を残したい方 ・仕事運や就職祈願などの現代的なご利益を求める方
滞在型の旅を楽しむ方にとっては、朝の自由な時間に無理なく立ち寄れる点や、寺院の静寂の中で自分のペースで過ごせる点が大きな魅力です。トシズプレイスに宿泊していれば、こうした余白の時間を活かし、より深い精神的体験が叶います。
まとめ|その場所の魅力と、トシズプレイス滞在中に楽しむ価値を締めくくる
常栄寺は、歴史と信仰に彩られた鎌倉の隠れた名刹です。「ぼたもち寺」として語り継がれる逸話や現代的なご利益を通じて、多くの人々の心の支えとなってきました。静かな境内でのひとときは、観光地巡りの合間に心を整える落ち着いた時間としておすすめです。滞在型で自由な時間を楽しめるトシズプレイスに宿泊することで、常栄寺の精神的な豊かさをより深く味わうことができます。