悠久の歴史に想いを馳せる旅

まんだら堂やぐら群

崖に150穴以上のやぐらが重なる、名越切通の中世の供養の場

まんだら堂やぐら群とは?|歴史や由来

まんだら堂(まんだらどう)やぐら群は、神奈川県逗子市(ずしし)小坪(こつぼ)の国史跡「名越切通(なごえきりどおし)」の中にある、150穴以上のやぐらが確認されている中世の墓所と供養の場です。やぐらとは鎌倉周辺に見られる、岩盤を掘り込んで造った横穴のことで、ここでは2m四方ほどの小さなやぐらが、平場を囲む崖に幾重にも重なって並んでいます。

鎌倉時代の後半にあたる13世紀末頃から平場の造成とやぐらの掘削が始まり、鎌倉時代の後の第二の武家政権の室町時代(14世紀〜16世紀)の中頃、ほぼ15世紀いっぱいまで供養が続いたと考えられています。「まんだら堂」の名が見える最も古い文献は16世紀末の検地帳(けんちちょう、土地を調べて記した台帳)ですが、畠の地名として記されているだけで、当時すでに堂はなかったと推測されています。どのような堂がいつまで建っていたのかは分かっていません。管理は逗子市が行っており、普段は入口のフェンスが閉じられています。

まんだら堂やぐら群の観光情報インフォグラフィック
イラストはイメージです

見どころ|崖に重なるやぐら群と展望広場

最大の見どころは、平場を囲む崖に小さなやぐらが段をなして並ぶ景観で、その様子から「お墓のマンション」と呼ぶ人もいます。やぐらの中には五輪塔(ごりんとう)と呼ばれる供養塔が今も多く残り、正面の崖だけでなく、その裏手にも横穴が続いています。

入口の受付の奥にある階段を上ると展望広場があり、やぐら群の全体を上から見下ろせます。木々の向こうに海がわずかに見えることもあります。やぐらの手前で仕切られていて近づけず、やぐらの中に入ったり触れたりすることはできません。発掘調査では、切石(きりいし)を敷き並べた遺構や、岩盤を長方形に掘って造った火葬址(かそうし、遺体を火葬した跡)、斬首されたと考えられる人の頭蓋骨を埋めた穴が見つかりましたが、切石敷の遺構と火葬址は埋め戻されており、現在は見ることができません。

季節の見どころ

初夏の公開期間はやぐら群が新緑に包まれ、秋の公開期間には平場の大きなイチョウやモミジが色づきます。イチョウの黄葉は12月に入ってからになることが多く、塩害や台風の影響で色づく前に葉が落ちてしまう年もあります。公開日以外でも入口のフェンス越しにやぐら群の一部を見ることはできますが、夏など草が茂る時期には見えなくなります。

アクセスと開門時間

まんだら堂やぐら群へは、逗子駅や鎌倉駅からバスに乗り、バス停から歩いて山を登ります。どの道を通っても最後は急な階段や山道になり、緑ヶ丘入口(みどりがおかいりぐち)のバス停から上る道は階段が長く続きます。このため、ベビーカーや車いすでの見学は難しいと考えてください。雨の後は道がところどころぬかるみ、落ち葉で滑りやすくなるため、歩きやすい靴で出かけてください。駐車場や駐輪場はなく、近くにコインパーキングもないため、公共交通機関と徒歩で訪れることになります。現地にはトイレがないため、駅などで済ませてから向かうと安心です。

公開は初夏と秋の限られた期間の土曜日、日曜日、月曜日と祝日だけで、入場は無料です。史跡の維持管理のための寄附を任意で受け付けています。公開時間は初夏が10時から16時、秋が10時から15時で、入場は閉門の5分前までです。小雨でも公開されますが、大雨の予報が出ているときなどの荒天時は、予告なく閉鎖されることがあります。場内で食事をとることはできず、飲み物だけが認められています。

公開期間の日程や受付と展望広場の様子、バスでの行き方はまんだら堂やぐら群の限定公開で詳しく紹介しています。

おすすめの訪問時間・シーズン

新緑の中でやぐら群を見たいなら初夏、イチョウやモミジの色づきとともに見たいなら秋の公開期間が向いています。秋は閉門が15時のため、山道を歩く時間も考えて早めに出かけると安心です。公開日が土曜日、日曜日、月曜日と祝日に限られるため、鎌倉に滞在する旅であれば日程を合わせやすくなります。素泊まり専用・キッチン完備の完全無人スマートホテル「トシズプレイス」を拠点にすれば、公開日の朝から余裕をもって山道に向かうことができます。

周辺スポット|徒歩圏内のスポットを中心に紹介

まんだら堂やぐら群は、鎌倉と逗子を結ぶ古道である名越切通の中にあり、切通の散策と組み合わせて訪れられます。名越切通を鎌倉側へ下ると、徒歩10〜15分ほどの範囲に日蓮(にちれん)ゆかりの寺が3つあります。長勝寺(ちょうしょうじ)までは徒歩約11分(約750m)、安国論寺(あんこくろんじ)までは約12分(約900m)、苔むした石段で知られる妙法寺(みょうほうじ)までは約14分(約1km)です。いずれも13世紀中期に開かれたと伝わる日蓮宗(にちれんしゅう)の寺で、公開日の帰りに鎌倉駅の方へ歩きながら立ち寄れます。名越切通の周辺には、岩の崖が長く続く「お猿畠の大切岸(おさるばたけのおおきりぎし)」や法性寺(ほうしょうじ)もあります。所要時間は地図上の徒歩ルートによる目安で、山道を含むため実際にはもう少しかかることがあります。

こんな方におすすめ|目的・関心・滞在スタイル別に提案

鎌倉と逗子の中世史ややぐらに関心がある方、中世の鎌倉の人々が死者を弔った場の姿をまとまった規模で目にしたい方、山道や階段を歩くことに抵抗のない方に向いています。

まとめ

まんだら堂やぐら群は、150穴以上のやぐらが崖に重なる、名越切通の中の中世の供養の場です。公開は初夏と秋の限られた日だけですが、展望広場から見下ろす全景や、季節ごとに表情を変える木々とともに、中世の鎌倉の人々の祈りの跡にふれることができます。

基本情報

項目内容
名称まんだら堂やぐら群(国指定史跡 名越切通内)
読み方まんだらどうやぐらぐん
住所神奈川県逗子市小坪7丁目(国史跡名越切通内)
見どころ崖に段をなすやぐら群(150穴以上)、やぐら内の五輪塔、展望広場からの全景、イチョウとモミジ
体験できること限定公開日の史跡見学、名越切通の散策
公開時間初夏(4月〜5月)・秋(10月〜12月)の限定公開期間の土・日・月・祝のみ。初夏10時00分〜16時00分、秋10時00分〜15時00分(入場は閉門5分前まで)
滞在時間の目安約30分(さっと20分・じっくり60分)
料金無料(史跡の維持管理のための任意の寄附あり)
休み限定公開期間以外は閉鎖。公開期間中も火曜〜金曜(祝日を除く)は休み。荒天時は予告なく閉鎖することあり
注意事項場内での食事は不可(飲み物は可)/駐車場・駐輪場なし/雨の後は道がぬかるみ滑りやすい/階段と山道のためベビーカー・車いすでの見学は難しい
トイレなし
公式サイトhttps://www.city.zushi.kanagawa.jp/shiminkatsudo/bunkazai/1004537/1007768.html(逗子市)

Google Map

まんだら堂やぐら群の直近のイベント

これからまんだら堂やぐら群で行われる行事を、開催が近い順に紹介します。

  • まんだら堂やぐら群 限定公開 初夏(4月中旬〜5月)と秋(10月下旬〜12月中旬)の土・日・月・祝日。

    逗子市の国史跡である名越切通にある、150穴以上のやぐらが崖に並ぶまんだら堂やぐら群を、初夏と秋の限られた期間だけ一般に公開します。

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